日本に住む外国人の方が増えていくにしたがって、日本国籍を取得することを選択される方も増えております。日本に長く住み、ずっと日本で生活していきたいと考えている方にとってそれは当然の選択肢ではあります。
しかしながら、法務局での帰化許可申請手続きは大変時間がかかります。一般の方々は申請前にまずは法務局に出向き、国籍相談を受けて、基本的な要件を満たしていることを確認することになりますが、この国籍相談の予約も数か月先まで取れないなんてこともザラにあります(ちなみに東京では半年先まで予約が取れないなんてこともあります)。
せっかく法務局で国籍相談の予約をとっても、担当官と話してい見たらそもそも要件を満たしておらず、数か月が無駄になったなんて話もよく聞きます。そこでこの記事では、帰化許可(日本国籍)を取得するための一般的な要件に関して解説させていただきます。
要件①継続して5年以上日本で生活していること
日本で継続して5年以上住所を有していることが求められます。なお、出国歴に関しても注意が必要で、仮に5年以上日本で住所を有していたとしても、その期間のほとんどを海外で滞在していた場合等の場合にはこの条件を満たさないものとされます。
要件②18歳以上で本国法で行為能力を有すること(成人していること)
日本でも本国でも成人していることが必要になります。
要件③素行が善良であること
犯罪歴だけでなく、交通違反歴や税金・年金・健康保険の納付状況も確認されます。また、法人を経営されている場合には法人の社会保険の加入状況や納税状況も確認されます。
要件④日本で生活していけるだけの資産または収入があること
日本での生活を維持できるだけの収入または資産があることが求められます。
要件⑤日本国籍の取得後、本国の国籍を失うこと
日本の国籍法では二重国籍を認めていないため、日本国籍の取得に際して本国の国籍を失う必要があります。
要件⑥日本国憲法の下に成立した政府を暴力で破壊することを企てる、又はそのような主張をする団体を結成し、又はこれに加入したことがないこと
反政府団体等に加入していない又は結成していないことが要件となっております。
要件⑦十分な日本語能力を有すること
日本国籍を取得した後、参政権を行使できるようになるため、基本的な日本語能力を満たすことが求められます。具体的には最低でも小学校1年から2年ほど、可能であれば小学校3年から4年の日本語能力を有することが求められます。
なお、法務局では帰化申請者の日本語能力を確認するために面接や日本語テストを実施することがあります。近年の健康として、日本語能力検定(JLPT)N1を取得している場合や日本での留学経験があるケースを除いて、基本的には日本語のテストを実施し、日本語能力を確認しているようです。
以上の要件が帰化許可(日本国籍)を取得するための基本的な要件となります。帰化申請をお考えの方はまずはこれらの要件を満たしているかを確認してみましょう。なお、日本人の方とご結婚されている場合、日本人のお子様の場合、日本で生まれた場合には上記の要件が緩和されます。
伊藤大智
届出済行政書士
執筆者について
法政大学法学部法律学科卒業。2019年に行政書士鎌倉国際法務事務所を設立し、永住・帰化申請をメインに取り扱う。2023年から神奈川県横浜市南区に事務所を移し、横浜市、川崎市、東京都内の顧客の永住・帰化申請を取り扱っている。
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